お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーさん(53)。
かつてバラエティ番組で明るい笑顔を絶やさなかった彼は、2020年に中咽頭がんと診断されました。
家族にも言えず苦しんだ1ヶ月、壮絶な放射線化学療法、そして闘病中に出会った20歳の大学生・カイシュウさん。
――その青年の死が、ワッキーさんに「もう一度生き直す」決意を与えたといいます。
5年間にわたる闘病の軌跡と、笑いの力で生きる希望をつなぐ感動の物語をたどります。
そこで今回は、
ワッキーのがんの笑顔の裏に隠した不安
ワッキーのがん病棟で見つけた使命感と若き友・カイシュウ
ワッキーのがんでの亡き友への誓い「上を向け、上を!」
3つの観点から迫っていきます。
それでは、早速本題に入っていきましょう。
ワッキーのがんの笑顔の裏に隠した不安

2020年、移動中に見つけた喉の小さなしこり。
軽い違和感のつもりが、検査の結果はまさかの「中咽頭がん」。
それも、転移の可能性を含むステージ1という診断でした。
しかしワッキーさんは、すぐには家族に打ち明けることができませんでした。
子どもたちに心配をかけたくない、笑顔の父でいたい――。
そう願いながらも、「パパ、死ぬかもしれない」という恐怖が心を締めつけました。
それでも彼は、仕事ではいつも通りに明るくふるまい、家庭では変わらぬ笑顔を見せ続けました。
その**“沈黙の1ヶ月”**こそ、芸人として、人としての覚悟を育てる時間になったのかもしれません。
ワッキーのがん病棟で見つけた使命感と若き友・カイシュウ

手術と放射線化学療法のために入院した病棟には、余命宣告を受けた患者や、新薬治験に臨む人々の姿がありました。
その空気の中で、ワッキーさんはふと思いました。
「俺はお笑い芸人だ。この病棟を明るくするためにここに来たのかもしれない」と。
病室の廊下で冗談を言い、笑顔を広げていく――そんな“病棟芸人”としての使命感が芽生えた矢先、彼の前に1人の大学生・カイシュウさんが現れます。
足に腫瘍を抱え、松葉杖でリハビリに励む青年。
「僕、絶対ピッチに戻りますからね!」と笑う姿は、かつてサッカー少年だったワッキーさん自身の原点を思い出させました。
青年のまっすぐな言葉に、ワッキーさんは再び闘う力をもらいます。
“笑い”と“命の尊さ”が交差した病棟で、確かな絆が生まれていました。
ワッキーのがんでの亡き友への誓い「上を向け、上を!」

退院後、味覚障害や唾液の欠乏という後遺症に悩みながらも、「もう一度、相方とコントをやりたい」とステージに戻ったワッキーさん。
しかし、復帰の舞台では水を飲まずに声を出せず、不安と焦りに包まれました。
そんなある日、一本の電話が鳴ります。
――「先日、カイシュウが亡くなりました。」
10ヶ月前まで「ピッチに戻る」と言っていた青年の死。
その知らせは、ワッキーさんの心を深く揺さぶりました。
「俺は50まで生きられた。少し喉が乾くくらいで下を向いてどうする!」
そう自らを奮い立たせた彼は、次のステージで“強い意志”を持って立ち上がります。
声が枯れても、喉が渇いても、観客の前で笑いを届ける――。
その瞬間、喉の奥が不思議と潤い、「体が応えてくれた」と感じたといいます。
それは、亡き友がくれた“見えないエール”だったのかもしれません。
まとめ
ワッキーさんが今も伝え続けるのは、「強い意志を持てば、体は必ず応えてくれる」という信念です。
がんと向き合う5年間の中で、彼が学んだのは“生きる意味”でした。
それは――笑いが命をつなぐこと、誰かを笑顔にできること、そして亡き友の思いを背負って歩き続けること。
「もしきつくなったら、ワッキーがこんなこと言ってたなって思い出してください」その言葉には、闘病を乗り越えた芸人の“祈り”が込められています。
それでは、ありがとうございました!

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