1990年代、「今すぐKiss Me」や「BELIEVE IN LOVE」などのヒット曲で時代を駆け抜けたLINDBERGのボーカル・渡瀬マキさん。
明るくパワフルな歌声で“平成の前向きソング”を代表する存在となった彼女ですが、その裏では、**「声が出なくなる病気」**という苦しみと闘っていました。
声帯に異常はないのに声が出ない――。
それは「機能性発声障害」という、心と体が同時に悲鳴を上げる病。
いくつもの試練を越えて、再びステージに立った渡瀬さんの“心の再生”の物語をたどります。
そこで今回は、
渡瀬マキの「今すぐKiss Me」から始まった栄光と葛藤
渡瀬マキの声を失った日――機能性発声障害の闇
渡瀬マキの声が出ない病気後に再び歌う
3つの観点から迫っていきます。
それでは、早速本題に入っていきましょう。
渡瀬マキの「今すぐKiss Me」から始まった栄光と葛藤

デビュー翌年、月9ドラマの主題歌に抜てきされた「今すぐKiss Me」が大ヒット。
LINDBERGは瞬く間に国民的バンドへと成長し、90年代の音楽シーンを牽引しました。
しかし、ブレイクの裏では、渡瀬マキさん自身がその勢いに“追いつけない”焦りを感じていたといいます。
「『今すぐKiss Me』に追いつこうと必死やった感じだった」
そんな彼女が人生の大きな決断をしたのは1999年。
結婚・出産を経て、2002年には「子供と120%一緒にいたい」との想いからバンド解散を決意。
母としての愛とアーティストとしての責任、その両立に苦しみながらも“家族を優先する勇気”を選びました。
渡瀬マキの声を失った日――機能性発声障害の闇

2009年の一時的な再結成を経て、2014年にLINDBERGは本格再始動。
「もう一度ステージに立ちたい」という気持ちで動き出した矢先、渡瀬マキさんを襲ったのが機能性発声障害でした。
声帯に異常はないのに、言葉が出ない。
「タクシーで行き先を言えない」
「『これください』と言いたくても声が出てこない」
そんな日常の中で、会話も歌もできなくなり、「心も体もブッ壊れちゃった」と感じたほど。
2年間の休養中は、「もうステージに立てないかもしれない」という恐怖と隣り合わせの日々でした。
医師にも「いつ治る」とは言われず、終わりの見えないトンネルの中で、渡瀬マキさんは静かに自分と向き合い続けたのです。
渡瀬マキの声が出ない病気後に再び歌う

2020年、渡瀬さんはついに復帰。
しかし、完全に回復したわけではなく、今もステージ本番前には「怖さ」があると語ります。
それでも彼女が立ち続ける理由――それは35年以上応援してくれているファンの存在でした。
ライブで声が詰まったとき、客席から大合唱が起きる。
「本当はそうじゃいけないけど、ファンに助けてもらってる」
その瞬間、音楽は“声”を越えた絆になる。
彼女の歌は、完璧ではなくとも、痛みや不安を抱えながら歌う“人間らしさ”そのものです。
今も渡瀬マキさんは、「自由自在に歌えるようになるのが目標」と語り、1日でも多く、1回でも多く、歌うことを続けています。
まとめ
かつて“前向きソングの女王”と呼ばれた渡瀬マキさん。
その笑顔の裏には、声を失い、心が折れかけた過去がありました。
それでも彼女は再び立ち上がり、今では“壊れたからこそ見えた強さ”を胸に歌い続けています。
「声が出なくても、心の声は消えない」
LINDBERGの音楽と共に、渡瀬マキさんはこれからも――“自分を信じて、もう一度歌う勇気”を届けてくれるでしょう。
それでは、ありがとうございました!
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