「満州アヘンスクワッド」の作画を担当していた漫画家・鹿子(しかこ)さんが、2025年11月8日に脈絡膜悪性黒色腫のため亡くなったことが、12月22日にヤングマガジン編集部と作品公式Xで発表されました。
享年37歳。そして作品は、鹿子さんの生前の意向を受けて連載継続が示されています。
今回は、報道で明かされた情報をもとに、10月の「治療専念」発表までの流れを時系列で整理しつつ、病名(脈絡膜悪性黒色腫)についても、分かりやすくまとめます。
そこで今回は、
鹿子さんの訃報の発表と「連載は継続へ」
鹿子さんの10月の「治療専念」発表まで
脈絡膜悪性黒色腫とは?
3つの観点から迫っていきます。
それでは、早速本題に入っていきましょう。
鹿子さんの訃報の発表と「連載は継続へ」

まず大きなポイントは2つです。
1つ目は、鹿子さんの訃報が12月22日に公表されたこと。
2つ目は、同時に「満州アヘンスクワッド」を完結まで導く方針が発表されたことです。
日刊スポーツが引用する公式Xの内容では、編集部が鹿子さんの逝去を報告するとともに、「万が一の際は代筆を立てて完結させてほしい」という生前の言葉を預かっていたこと、代筆者は未定ながらも編集部として想いを継いで完結まで進める意向が明記されています。
そして朝日新聞の記事でも、別の作画担当を立てて連載を継続する方針が伝えられています。
「作者が亡くなっても、作品は続くのか」——この問いに対して、今回のケースは“続ける”と明言された、重い発表でした。
鹿子さんの10月の「治療専念」発表まで

ここからは、報道で確認できる範囲で、流れを追っていきます。
2023年夏:「脈絡膜悪性黒色腫」と診断
日刊スポーツによれば、鹿子さんは自身のXで、2023年夏に下された診断名が「脈絡膜悪性黒色腫」だったと明かしていました。
2023年10月:症状と休載の発表
同じく日刊スポーツでは、右目の視野欠損や歪みなどがあり、治療に専念するためしばらく休載したことも伝えられています。
“描く”ことが仕事の中心にある漫画家にとって、視界の異常は生活にも制作にも直結します。ここに、闘病の厳しさがにじみます。
2024年末:他臓器への転移が確認
さらに日刊スポーツでは、鹿子さんが「昨年末に他臓器への転移が確認された」と説明していたことが引用されています。
転移が見つかって以降も、鹿子さんは「治療と連載の両立」を続けていた、と読み取れる内容です。
2025年10月27日:「治療に専念」=不定期更新へ
そして2025年10月27日、鹿子さんはXで、これまで両立してきたが「今回、治療に専念するため不定期更新にする判断に至った」と報告していました。
この時点で、読者側も「まずは回復を最優先にしてほしい」と願いつつ、同時に作品の今後を案じた人は多かったはずです。
2025年11月8日:逝去(公表は12月22日)
その後、鹿子さんは11月8日に逝去。
ただし公表は約1か月半後の12月22日でした。
そして同日に、連載継続(代筆による完結)の方針が示された——ここまでが、報道から追える「治療専念」発表までの流れです。
脈絡膜悪性黒色腫とは?

脈絡膜悪性黒色腫は、一般的には「ぶどう膜悪性黒色腫(眼内のメラノーマ)」の一部に含まれる、成人の眼球内に生じる悪性腫瘍と説明されます。
日本では年間50人ほどとも言われる希少がんで、初期は症状が少なく、進行すると視界の欠け・ぼやけ・歪みなどを自覚することがある、とされています。
また、眼内(ぶどう膜)黒色腫は、眼球の中でも脈絡膜から発生するものが多い、といった解説もあります。
治療はケースにより異なりますが、海外のがん情報(NCI)でも、手術や放射線治療など複数の選択肢が提示されています。
ここで大事なのは、病名の説明以上に——鹿子さんが、体調が厳しくなる状況の中でも、作品を前に進め、さらに「自分に何かあった場合は代筆で完結を」という意思を残していた点です。
連載継続は、読者にとって“続きが読める”という意味だけではありません。
鹿子さんが積み上げた作画の仕事、作品世界、キャラクターの息づかいを、別の手で受け継ぎながら「終わりまで届ける」——そのための選択だったのだと思います。
まとめ
- 鹿子さんは2023年夏に脈絡膜悪性黒色腫と診断されたことを明かしていました。
- 2023年10月には右目の異常(視野欠損・歪み等)を背景に休載。
- 2024年末に他臓器転移が確認されたとも述べています。
- 2025年10月27日、「治療に専念するため不定期更新」と報告。
- 11月8日に逝去(37歳)、12月22日に訃報公表。連載は代筆で継続し完結を目指す方針が示されました。
鹿子さんのご冥福をお祈りするとともに、作品が“意思を引き継ぐ形”で最後まで届くことを、静かに願いたいです。
それでは、ありがとうございました!

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