「この声、聞いたことがある」──そう感じさせる“安心感のある響き”で、長く映像の裏側を支えてきたのが、声優・ナレーターの石原良(いしはら りょう)さんです。
熊本県出身で、アニメでは『サイボーグ009』の002(ジェット・リンク)などを担当し、ナレーションではNHK『クローズアップ現代』でも知られました。
ここでは「若い頃から現在まで」を、キャリアの転機3つに絞って、分かりやすく振り返ります。
そこで今回は、
石原良の若い頃の出発点
石原良の若い頃から1960年代アニメで“役の顔”を得る瞬間
石原良の若い頃から現在まで続いた第二の代表領域
3つの観点から迫っていきます
それでは、早速本題に入っていきましょう。
石原良の若い頃の出発点

石原さんのキャリアを語るうえで大切なのが、いきなり「声優」から始まったわけではない点です。
所属事務所のプロフィールでは、芸歴としてNHK放送劇団(熊本・福岡)→TBS放送劇団という流れが明記されています。
放送劇団は、ラジオドラマや番組内の朗読など“声だけで情景を立ち上げる”現場。
ここで鍛えられるのは、感情の強弱だけではなく、言葉の粒立ち、間の取り方、聞き取りやすさといった「伝える技術」です。
後年、ナレーターとして番組のトーンを整え、視聴者を置き去りにしない語りができた背景には、この時期に培った土台があったと考えると、キャリアが一本の線でつながって見えてきます。
石原良の若い頃から1960年代アニメで“役の顔”を得る瞬間

次の転機は、アニメ黎明期の代表作に関わったこと。
石原良さんは『サイボーグ009』で**002(ジェット・リンク)**を演じ、さらに『魔法使いサリー』などにも出演したとされています。
当時のアニメは、いまほど情報が溢れていない分、“声の印象=キャラクターの記憶”として残りやすい時代でもありました。だからこそ、ここで当たり役を得たことは大きい。
「声の仕事」は、表に出る名前よりも“作品の中で生き続ける”側面が強い世界です。
石原良さんの場合、若い頃に作品と出会い、役を背負った経験が、その後の仕事の幅(アニメ→映画→ナレーション)を広げる推進力になったはずです。
石原良の若い頃から現在まで続いた第二の代表領域

三つ目の転機は、ナレーション領域での存在感が確立したことです。
報道でも、NHK『クローズアップ現代』のナレーションを務めたことで知られる、と伝えられています。
ナレーションは、派手な演技よりも「情報の交通整理」が求められる仕事。
視聴者の理解を助け、番組の温度を一定に保ち、必要なところだけ感情を添える──この職人的な仕事は、誰にでもできるわけではありません。
そして2025年12月14日、石原良さんは急性心不全のため亡くなったことが公表されました。
ただ、作品の中の声、番組の語りは、これからも記憶の中で生き続けます。
まさに「表に立つ主役」ではなく、「物語を成立させる背骨」として、長く第一線にいた人だった──そう言えるでしょう。
まとめ
石原良さんの歩みを転機でたどると、まず若い頃に放送劇団で培った「声で情景を伝える基礎」が、その後の活動全体を支える土台になっていたことが分かります。
そこから『サイボーグ009』の002(ジェット・リンク)など、アニメ作品で“役の顔”を得た経験がキャリアの幅を広げ、やがてナレーションという第二の主戦場へつながっていきました。
とくにNHK『クローズアップ現代』での語りは、派手さではなく確かな聞き取りやすさと安定感で番組を支える仕事であり、石原さんの職人的な強みが最も発揮された領域だったと言えるでしょう。
声優としてもナレーターとしても、表に出すぎずに作品や番組を成立させる“背骨”のような存在だったからこそ、その声はこれからも多くの人の記憶の中で生き続けるはずです。
それでは、ありがとうございました!

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