日野自動車の中で、長年にわたりバス・トラックといった“商用車の心臓部”ともいえるサスペンション開発を担ってきた技術者、望月貴司(もちづき・たかし)さん。
重量が大きく、長距離走行が当たり前の商用車において、サスペンションは乗り心地・安全性・耐久性に直結する極めて重要な領域です。
望月さんは20年以上にわたりこの技術分野を支え、論文発表、複数の特許、さらには組織マネジメントやグループ会社の経営まで、幅広い領域で存在感を発揮してきました。
そこで今回は、
望月貴司の経歴と実績は日野で築いた技術者としての土台
望月貴司の経歴と実績の論文発表と特許が語る技術力
望月貴司の経歴と実績からの新たな挑戦
3つの観点から迫っていきます。
それでは、早速本題に入っていきましょう。
望月貴司の経歴と実績は日野で築いた技術者としての土台

望月貴司さんの原点は、日野自動車入社後に配属されたサスペンション設計部門にあります。
商用車のサスペンションは、乗用車とは比べ物にならないほど大きな荷重・耐久性が求められ、技術者として高い専門性が必要です。望月さんはこの分野に約20年にわたり携わり、
- 路面から伝わる衝撃の低減
- 積載時の車両姿勢の最適化
- 長距離走行に耐える強度確保
- 低燃費につながる軽量化
といった日野車の根幹性能を支える技術に向き合い続けてきました。
とくに、トラック後輪に採用されるタンデムサスペンションやエアサスペンションなどの開発に深く関わり、「乗り心地」「積載バランス」「耐久性」を同時に満たす構造を追求してきたことが語られています。
長年にわたり“足回りを知り尽くした技術者”として日野の商用車開発を支えてきた人物と言えるでしょう。
望月貴司の経歴と実績の論文発表と特許が語る技術力

望月貴司さんの技術的な実績として、真っ先に挙げられるのが専門誌での論文発表と、複数のサスペンション関連特許です。
■ 技術誌「JETI」での論文
2018年には、技術誌「月刊JETI」に
『軽量タンデムエアサスペンションの開発』
が掲載され、日野自動車を代表して筆頭著者として名を連ねました。
ここでは、商用車の走行性能と積載性を維持しながら、サスペンションを軽量化する技術開発に成功したことが紹介されており、燃費向上や積載効率の改善に貢献する取り組みが明確に示されています。
■ サスペンション関連の特許
望月さんは、日野自動車の名義で複数のサスペンション構造・制御装置の特許の発明者にも登録されています。
代表的なものは、
- サスペンション構造に関する特許(2006年 出願)
- エアサスペンション制御装置関連の特許(2011年 出願)
などで、商用車特有の荷重変化や安定性を最適化する技術が含まれます。
構造面と制御面の両方で発明者となっている点は、**「メカ」「制御」両分野に深い知見を持つエンジニア」**であることを示しており、非常に大きな強みといえます。
望月貴司の経歴と実績からの新たな挑戦

技術開発で成果を重ねたのち、望月貴司さんは日野自動車 TS統括部 部長として、組織マネジメントや人材育成を担う立場へとステップアップしました。
ここでは、いわゆる“上司と部下のコミュニケーション改革”にも取り組み、1on1を取り入れることでメンバーの自律性を引き出す文化づくりにも力を注ぎました。
そして現在は、日野自動車の100%子会社である日野リトラックス株式会社の代表取締役社長として、新たな領域を牽引しています。
日野リトラックスは、
- リビルトエンジン
- 再生部品(リユース部品)
- 産業廃棄物の適正処理
などを扱う会社で、商用車の資源循環・再エネルギー化に深く関わる重要な役割を担っています。
これまで“新車開発”に深く関わってきた望月貴司さんが、**「資源循環の未来」**という新しいステージに挑む姿は、日野グループの中でも大きな注目ポイントです。
まとめ
日野自動車の技術者として長く活躍してきた望月貴司さんは、
- 約20年のサスペンション設計キャリア
- 専門誌に掲載された開発論文
- 複数のサスペンション関連特許
- 技術部門のマネジメント
- 日野リトラックス社長としての再生部品事業の牽引
と、技術から経営まで多方面で実績を重ねてきました。
トラック・バスの“走りの質”を支える技術者としての功績はもちろん、これからはリビルト・リユースという新たな領域での活躍にも注目が集まります。
今後の動向もますます期待される人物と言えるでしょう。
それでは、ありがとうございました!

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