スピードスケート男子500mで日本中を沸かせた長野五輪金メダリスト・清水宏保さん。
「小柄なスプリンター」「氷上の超人」といったイメージが強い一方で、実は 大学院で医療経営学の修士号を取得し、その後は医学博士号まで取っている という、かなり異色の学歴の持ち主でもあります。
そこで今回は、
清水宏保の学歴は帯広の少年からスケート名門・白樺学園へ
清水宏保の学歴での日本大学文理学部で学びながらの長野五輪で金メダル
清水宏保の学歴は引退後の医学博士号までの道のり
3つの観点から迫っていきます。
それでは、早速本題に入っていきましょう。
清水宏保の学歴は帯広の少年からスケート名門・白樺学園へ

北海道・帯広で育まれたスケートの原点
清水宏保さんは 1974年、北海道帯広市生まれ。
幼稚園は葵幼稚園、小学校は帯広市立栄小学校、中学校は帯広市立帯広第一中学校と、地元・帯広の学校で育ちました。
3歳からスケートを始め、幼い頃からリンクに親しんできた清水さん。
しかも、幼少期には 気管支喘息 を抱えており、そのハンデを抱えながらも練習を続けてトップ選手へと成長した、というエピソードはよく知られています。
「体が強いからスケートをやった」のではなく、弱さや病気と向き合いながら鍛え上げたアスリートだった、という点は、後の“医療・リハビリ分野への関心”にもつながっていくポイントと言えそうです。
白樺学園高校・スポーツ科で本格的なスケート漬けの日々
中学卒業後は、北海道内でもスケートの名門として知られる白樺学園高等学校(スポーツ科) に進学します。
白樺学園は、野球やスピードスケートの強豪校として知られ、リンク環境や指導陣も整っている“アスリート養成の土壌”とも言える学校です。
清水さんもここで本格的なトレーニングを積み、
- 高校時代に日本高校新記録を樹立
- 全日本スプリントで総合4位に入り、一気に注目を浴びる
など、早くも“世界レベルのスプリンター”として頭角を現していきます。
学歴という側面から見ると、地方の公立校→スポーツ名門校への進学という、ごく自然な“競技レベルアップのステップ”を踏んでいるように見えますが、この段階ですでに「世界を見据えた環境選び」をしていたと言えるでしょう。
清水宏保の学歴での日本大学文理学部で学びながら、長野五輪で金メダル

日本大学文理学部に進学 ― 現役中に大学で学ぶ決断
高校卒業後、清水宏保さんは 日本大学文理学部 に進学します。
スケート選手としての活動がますます本格化していくタイミングで、あえて大学進学を選んでいるのがポイントです。
当時から、
- 競技に全力で打ち込みながらも
- 「学び」や「将来のキャリア」を意識していた
という、文武両道の姿勢 がうかがえます。
世界のトップに立ちながら、学びも継続
日本大学在学中〜卒業後にかけて、清水さんは
- 1993年:ワールドカップ初出場・初優勝
- 1998年:長野オリンピック500m金メダル&1000m銅メダル
- 2002年:ソルトレークシティオリンピック500m銀メダル
と、世界トップレベルのスピードスケーターとして輝かしい成績を収めています。
その一方で、日本大学文理学部を卒業しており、「競技に専念するから学びは手放す」という選択はしていません。
ここに、
- 競技成績だけで終わらない
- 引退後も見据えた“長期的なキャリア設計”
という、清水さんならではの視点が見えてきます。
“学歴”が単なる肩書きではなかった理由
清水さんの場合、
大学進学は「とりあえず学歴を取っておく」という感覚ではなく、
- 自分の体を客観的に理解したい
- トレーニングや健康管理を、理論としても知りたい
といった“知的好奇心”が強かったと言われています。
後に 医療経営学→医学博士 へと進んでいくことを考えると、この時点からすでに「身体」「健康」「パフォーマンス」を学問的に捉えたいという芽があったと考えるのは自然です。
清水宏保の学歴は引退後の医学博士号までの道のり

現役引退後、日本大学大学院で「医療経営学」の修士号を取得
2010年3月、清水宏保さんは現役を引退します。
引退後にまず選んだのは、日本大学大学院で「医療経営学」を学ぶ道 でした。
- 日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科で医療経営学を専攻
- 医療経営学の修士号を取得
なぜ「医療経営学」だったのかというと、
- 自身が喘息持ちで、医療と長く付き合ってきたこと
- アスリート時代のコンディショニング経験
- 引退後に、介護施設やリハビリ型デイサービス、訪問看護ステーションなどを運営するビジネスを始めたこと
こうした背景から、「医療・介護・スポーツをどう組み合わせれば、人の健康にもっと貢献できるか」 を、経営の視点から学び直そうとしたことが分かります。
弘前大学大学院医学研究科・社会医学講座博士課程へ進学
修士課程修了後も学びは止まらず、2015年には 弘前大学大学院医学研究科・社会医学講座の博士課程に進学します。
社会医学とは、ざっくり言えば
「人や地域の健康を、社会全体の仕組みや環境から考える医学」
のような分野で、高齢化や生活習慣病、地域医療などを統計や疫学の観点から分析していく学問です。
まさに、
- 介護施設・リハビリ施設
- 高齢者向け住宅
- スポーツジムの運営
といった、自身のビジネスフィールドと直結する領域でもあります。
約8年かけて、医学博士号を取得
弘前大学大学院の博士課程には、休学期間も含め 約8年間在籍 し、2023年にようやく博士課程を修了。
医学博士号を取得した ことを、自身のSNSやメディアを通じて報告しています。
49歳での医学博士号取得というのは、一般的な医師・研究者のキャリアパスと比べてもかなり異色ですが、
- アスリートとしての身体感覚
- 経営者としての現場感覚
- 研究者としてのデータ・エビデンス
この3つを組み合わせて、
「医療・介護・リハビリ・スポーツをつないだ新しい“健康のかたち”をつくりたい」
という思いが、博士号取得の大きなモチベーションになっていたと語っています。
まとめ
ここまで見てきた清水宏保さんの学歴を、あらためて整理すると――
- 地元・帯広の 幼稚園〜小・中学校
- スケートの名門 白樺学園高等学校(スポーツ科) で競技に打ち込む
- 現役選手として世界と戦いながら 日本大学文理学部を卒業
- 引退後は 日本大学大学院で医療経営学の修士号 を取得
- さらに 弘前大学大学院医学研究科・社会医学講座博士課程を修了し、医学博士号を取得
という、まさにタイトル通りの
「白樺学園高校から医学博士へ」
という異色のキャリアを歩んでいます。
その根底には、
- 幼少期からの喘息との付き合い
- アスリートとして培った「身体のプロ」としての実感
- 介護・リハビリ・スポーツジム経営を通じて感じた医療・介護現場の課題
といった経験があり、それらを**「学び」と「研究」で裏打ちしようとし続けてきた姿勢**こそが、清水宏保さんの学歴の一番の特徴と言えるでしょう。
学歴はただの肩書きではなく、
「自分のミッションを果たすための武器として、人生の途中からでも積み上げていける」
ということを体現している人物でもあります。
気づきにもつながりやすくなります。

コメント